橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第五十歩)
■マンションでは色々な事が起こりますが、自身で解決できますか?!
マンション管理士の橋本です。
4月も終わり5月に、ようやく新しい環境に変わられた人も落ち着かれたところではないでしょうか?
私は、普段、賃貸管理の仕事をメインにしておりますが、相変わらず日々の業務に追われております。
その中には、マンションにおいて、自身の管理している専有部分のお住まいの方が、周りに迷惑をお掛けしたり、また、逆に、周りのお部屋からのトラブルを受けたりする案件を対応する事があります。
ということで今回は、最近のトラブル事例を話せる範囲で話したいと思います。
まず先週あたりにあった話ですが、簡単に言いますとペットの話です。
こちらのマンションはペット不可なのですが、話の発端は、近隣の方より異臭がするとの話からはじまりました。
確認のため、共用部管理会社さんが現場を訪問すると、内廊下という事もありますが、確かに異臭が共用廊下中にもするぐらいでした。
そして、部屋をノックやドアノブをガチャガチャすると、中から”ミャ〜”といった鳴き声が⁈
(皆さん想像してみてください、自宅を出入りする度に廊下で異臭を感じたり、ベランダに出た瞬間に異臭がしたり、そして洗濯物に臭いがついたりする事を)
至急トラブル原因を改善すべく入居者様に連絡するも連絡取れず、手紙や張り紙をされるも一向に反応もなく、困り果て、管理組合様も所有者様へ強制退去を勧告する通知文を送られ、結果、所有者様、そして所有者様を通して、賃貸の管理会社へ連絡があり、今回、対処という流れになりました。
現在の対応状況やその後の対応などの話は、今まだ対応中という事もあり、詳細は書けませんがルールを守らない人がいることでマンションなどの共同住宅において、その周りの住民の方が迷惑を受けるという、トラブル事例の一つです。
また別のマンションでは、上下階の漏水事故があり、階下被害者側の部屋の管理をしておりますが、上階所有者が漏水調査の協力をして頂けない?!という案件です。
実は同じような案件が昨年もあり、そちらの案件は、管理組合が訴訟の上、ようやく調整が取れた結果、今月に入室の上、漏水調査作業をする予定ですが、今回、同じように協力いただけず(漏水が止まらず)被害が続くケースです。
なお空室のため、今、住めないという状況ではありませんが、お部屋を有効に利用、使用が出来ない事には変わりません。
管理会社様より再三の調査依頼をしているのにもかかわらず協力して頂けず、だんまり状態にて、また、管理組合でも、他の迷惑行為をされている方で、今後の対応として、訴訟等の話も出ていますが、実際に訴訟裁判となりますと、早くても数か月先の話になる為、その間、さらに被害が大きくなる可能性があります。
なお、ちなみに今回、原因が専有部だった場合、管理組合様は、各所有者、各専有部同士であとはやり取りしてくださいみたいな話になっております。
(でも、そんな複数のトラブルを起こされている方に対して、原因専有部だから、後はお願いといわれても、正直言って、個人間にて、なかなか対処難しいですよね?)
ちなみに、今回はかなりレアな案件ですが、マンションに住まわれている皆様は、このような迷惑行為が近隣や被害者の立場になった際に、専有部だけで対応できますでしょうか?
確かに戸建てでしたら、自分たちで近隣に対しての迷惑行為に対して対処対応をしないといけませんが、ことマンションについては、部屋が隣接していることもあり、専有部内でのトラブルがすぐ周りのお部屋(近所)に影響する環境になる為、そういった対応をする確率が高く、またトラブルにつながりやすいです。
そう場合によっては、上下左右の音が聞こえるぐらいの環境間において、お互いの関係が悪くなるようなトラブル解決を当事者間でするのはなかなか難しいというのが本音かと思いますが、実際に、マンションの管理上、管理組合さんによってはそのような方針、対応をされるケースがあります。
そんな対応、各専有部、所有者様でできますでしょうか?
私は仕事からできると思いますが、一般の人は難しい、被害に対して何も出来ないといった事になりかねないのではと個人的に思います。
なお、先ほど話した2つの事例は、実際に今私どもの会社で対応している案件にて、他のマンションでも十分の起こりうる可能性があります。
このようなマンション内のトラブルが起こった時に、また起こる前の予防として、大事なことは、近隣との良好な関係が大事だと思います。
特にマンションにおいて、また都会においてはこういった近所付き合いというのは、生活様式の違いから、難しいところもありますが、お互いの関係を築くことで、相互により良い関係性が作れ、もしもの際にも協力を頂けます。
(たいていトラブルになっている人は、人付き合いが苦手な人が多いです。)
同時に役員、共用部管理会社との連携(協力関係)が出来るように、日々、総会や理事会の参加や活動に対して協力されると、もしもの際に協力を頂ける場合もあります。
あと、交渉が決裂して、費用負担が難しい場合に備えて保険の加入などもしっかりされていた方がいいと思います。
周りからの迷惑行為と分かれば、保険会社による求償からの保険対応もして頂けるケースもありますので、もしもの時の保険は大事です。
最後に、マンション管理に関する専門家との連携が必要です。
そう、管理運営の専門家であるマンション管理士であったり、法律関係の専門家である弁護士との相談できる体制があれば、その後どのように対応して改善に向かうかの道筋も見えますし改善に向けて最短での対応が望めます。
これらの対応にしつつ、トラブルの改善が出来れば望ましいのですが、内容や人の考え方などケースバイケースにより、なかなか改善が難しく物事が進みづらい事がありますが、その場合は、一つ一つ、やれるべきことをするしかありません。
という事で、今回は最近のトラブル事例と、それにともない、もし自分がそのトラブルに巻き込まれたら?!という事を書かせて頂きました。
ほんと、マンションなどの共同住宅において、人が居ればいるほど、百人百様の人がおられ、時には問題が起こる事、現実にあるという事をご理解頂けましたら幸いかと思います。
それでは、また!!
(マンション管理士 橋本 和聡)