カトー折りの散歩道(第五十歩)

■健康管理

今日は、ほんとうに散歩でもしたくなるような陽気な日となっている。桜が咲き始めて、窓を開けると、電車が通過する音や公園で遊ぶ子どもたちの声が聞こえて、そよ風の音さえ聞こえる。我がマンションの周りにはその桜が何本かあるので、それが窓から見えている。
そのような外の変化にも敏感に感じられるのも体調がよいからであって、お腹や喉に痛みがあれば、そのような気持ちには慣れない。舌癌の治療も終わってから1ヶ月半が過ぎて、こういう体調ならば、外出しても大丈夫かと思うが、それはそうでもないのである。人混みに接することで、喉がイガイガになって、その晩は寝付きも悪くなる。そう、まだ体力は十分ではないのである。まだしっかり普段通りに頑張れるかというと、そうでもないことに気づく。それをここ最近、外出したときの体調の変化を自己観察してみると、まだ無理が出来ないことを思い知らされるのである。
そういう状況であっても、外出して出会う人たちにしてみれば、進行がんステージ4の人がこうやって元気な姿で再度、会えたときの驚きには、私は逆に恐縮するような、喜びようである。元気をもらって、出掛けて楽しかったなぁと思いつつも、その晩の夜はうー、うーと苦しんでいる。寝不足になっても朝はゆっくり起きて良いのだから、グーグーと寝て、すっきりした顔で、また一日が過ごせる。でもそうやって、ゆっくりと体調を戻して、社会にまた、貢献できるとなると、その喜びやその意味はとても大きい。
入院する前は、せっせと働いて、自分がスムーズに動けるくらい自由なお金さえあれば、いいと思って、頑張っていた自分と比べれば、今はそうではなく、お金よりもどう自分が喜んで頑張って、日々が送られるかどうかという点を意識するようになった。今日のような過ごしやすい日に、何もせずにぼーっと時を過ごすよりも、今日も充実していたなぁ、やりたいことをちゃんとこなせたし、運動も出来たという小さな目標をクリアーする喜びに変わってきたような気がする。その小さな目標として、今は健康管理、運動管理に変わるように努力をしていきたい。
私の誕生日は9月なのだが、それは生命保険の更新日でもあった。昨年が10年目の節目の更新であって、癌保険の特約をたくさんつけておいた。それから2ヶ月後に舌癌になってしまい、その特約が降りた。十分すぎるほどの金額であっても妻が管理する口座に入っている。妻には毎日のお見舞いでずいぶん、助けられた。彼女は毎早朝から魚市場の仕事にも行き、ほんとうにしっかりした人なのである。彼女が運転し、私は助手席にいる。我がマンションの人は私が自動車免許を持っていないから助手席に座っているのかと思われていたほどである。保険の更新をどんどん積極的に進めていたのも彼女である。
自分の好きなように時間を使って、好きなことをして、余生を過ごすのもよいだろうが、こうやっていられるのはどうしてなのかを気づくのも、こうやって、のんびりと、春を感じてぼーっと過ごしているからだろう。

 

 

(カトー折り 加藤 祐一)

 

■今月のカトー折り
~敷いたまんまの紙が箱になって、入れた物をこぼさない~

花見シーズンです。花見といえば、やはりレジャーシートを敷いて、摘まみとビールで、屋台で買った焼き鳥や煮込みをいただきます。
自然と出るゴミを放っておくと、風で飛ばされて、隣の人に迷惑を掛けます。なので、乾き物などをチラシの紙の上に乗せておきますが、そのチラシを、あとから箱にできる技を知っていると、ゴミが飛ばなくて、便利です。その折り方を掲載しておきますね。
ちなみに紙の角をつまんで、ひょいっと、2回ひねるだけで、角が立つので、見ている人は手品のように見えるそうです。ちょっとした話題づくりにもなるかと思います。
では、お試しを。