橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第五十五歩)
■担当フロントマンの動きから管理会社の姿勢を読み取ると?!
10月に入りようやく秋らしい気候ですね。
いきなりですが、マンションにお住まいの皆様、
マンションの理事会、また、役員の時以外の際に、共用部管理会社のフロントマンの方とはなされたり、やりとりされた事ありますか?
普段、あまり関わりはないかと思いますが、その時の対応、役員の時に比べて違いありませんか?
マンション管理士の橋本です。
今年はほんと夏時期が長かったですね?9月は、まだまだ厳しい、暑い夏の気候にて、また台風は通過しなかったものの線状降水帯による大雨などにより、色々な事故等ありました。
そんな中、私は、普段、賃貸物件にて、現場管理を中心とした仕事をしておりますが、その中でもマンション一室(専有部)だけの管理もしております。 特にマンションの専有部では室内だけの対応もありますが、他のお部屋(管理外のお部屋)や建物、共用部に絡んだ対応もあります。 多いのが漏水、そして騒音、隣人による迷惑行為などなどが挙げられます。
その際に私どもが真っ先に、連絡、お話するのが、先ほどお話しました共用部管理会社様(フロントマン
様)です。
というのも、建物、共用部は管理組合様に代わって対応しているのが共用部管理会社であり、また専有部所有者(賃貸管理会社)は他の部屋の内容(誰が所有され、誰が住んでいるのか、利用しているのか?)は知りませんので、管理組合の補助業務をされている共用部管理会社に相談するしかなく、そういった諸事情もあり、共用部管理会社もしくはその現場対応をされている管理人さんとの接点、連絡する事が多い。
そんな関係性が強い私どもと共用部管理会社ですが、関係はすこぶるよくありません。(個人的な感想ですが?!) というか、賃貸管理会社は、彼ら共用部管理会社から見たら、面倒な事を言ってくる、厄介もの?
よく一括りで””不動産屋さん””と言われています。
ただ、管理組合員である皆さん、役員以外の際に共用部会社へ連絡した際に、対応イマイチだな?!と感じられるときありませんか?
そうです、共用部管理会社の業務範囲は、あくまでも共用部の管理であって、専有部内(間)のトラブル事は、組合の補助業務の一つにすぎず、そこにあまり力を入れたくない、入れるのであれば、もっと別の仕事(営業的な内容に)に力を入れたい!!と思っていることが多いからです。(当然みんながみんなそう思っているわけではない事も、十分理解していますし、ほんとうに親身に対応して頂ける担当フロントマンもおられます。) そう、本当のお客さんである管理組合(理事会、理事長)に対してサービスして、自分たちの評価を上げたい!!と思うのは自然かもしれません。
それと同時に、また、それ以上に思っているのは、自分たちの””業務量が多すぎ””てそれどころではない!といった状況も併せてあると思います。
特に以前からフロントマンの仕事量は半端なく、多くの理事会や総会が週末土日祝日に行われる関係で、休みなく働いている人も多く(振り替えて休んでも緊急連絡があったりして休んだ気持ちになれず)、そんな中、””そこまで対応しきれないよ””というのが本音かもしれません。以前はどちらかといえば後者の話が多かったです。
ただ、今は労働環境の見直しから業務量、業務内容の見直しがあり、業務については多少落ち着いたのかもしれませんが、それなりの業務量と併せて、昨今の管理人と同様にフロントマンの人手不足もあり、結局2人分の仕事をしないといけないといった事が起こります。
そんな中、会社もそういった人手不足を背景に、これまでサービスでまかなっていた内容を有料化したり、もしくは、業務上サービスをしないように指示がいっています。(賃貸管理もですが現場管理の仕事は時間の不規則〈緊急対応など〉や人間関係、対応からあまり人気がなく、最近のフロントマンも定年後に働かれている人も少なくありません)その結果、理事会への営業の部分に力を入れたいという動き、集中したいといった対応、今は前者の話を理由とした対応になっていると思われます。
そのため、割り切っている担当者は、役員以外の依頼事は、担当者自体、なかなか連絡がとれない、連絡がとれてもレスポンスや対応がよくないことはしばしばあります。
しかしながらこういったフロントマン、管理会社の対応の変化や流れは、社会変化、人手不足から仕方ない流れかなと思われ、その割り切りは大手の管理会社でもあり、
その理由は、社会変化によるインフレや工事費高騰から、なかなか修繕工事が受注できず、会社の経営、営業方針の変更をする必要があり、さらに労働環境コンプライアンスから結果、社員に必要以上の業務をさせる事ができない(サービスにて)、また仮にする場合は有償でおこなう、それがダメなら管理解約して、採算の合うところ以外は管理しないといった流れがあり、また中小の管理会社でも人手不足からしっかりとしたサービス提供がされず、私たちにとって、漏水などに事故などにおいて、話が進まないといった事も実際あります。
その結果、お金のあるところとないところでは管理のサービスの違い、差が広がる傾向があり、小規模やお金が出せないマンションは自分たちでするか、最低限のサービスで、現況を維持するかになります。それが今回のフロントマンの話につながります。
ただ管理会社側も社会の変化はあるものの、自分も守るために急に方向転換をするならば、それをマンション側に伝えないと、サービスを受けている側もその内容に対して受け入れられないですよね。
そのお互い中にあるモヤモヤがあるなか、マンションにおいて、細かな、事務作業や対住民の皆さんに対応をしているのに管理会社の評判が上がらない理由がここにあるような気がします。
こういった問題を解決するには、オープンな話し合い、お互いの意思疎通、合意形成、業務の可視化が挙げられます。
なおこういった話し合いについては当事者同士でするとトラブルやお互いに不満、遺恨?を残しかねないので間に第三者のマンション管理士を入れられる事をお勧めします。
あまりいい印象がない同士が話し合いますといい話し合いができません。これからも長い付き合いをするのであれば、お互い専門家が間に入る事で客観的に判断でき、納得しやすいからです。
また実際に、共用部管理会社が最低限度のサービスしかしなくなった場合、これまでのような親切な対応が亡くなった場合、今後のマンションの管理運営が区分所有者である管理組合員に大きな負担としてのしかかってきます。
これは業務手間もそうですし、難題に関して、エビデンスから分析して、判断するといった事も含まれます。そういった際にも、実務ではなく、経営が出来る第三者のサポートが今後不可欠になるのではないかと思っております。
私自身、普段賃貸物件の管理の仕事をしていますが、実際の管理において。建物の運営(経営)管理に関してはPM(プロパティマネジメント)会社が、実際の維持管理にはBM(ビルメンテナンス)会社と専門性部分で業務が分かれています。
今後の分譲マンションにおいても同じような流れで管理する(所有と経営を分離する管理方法)が主流の流れになるのではと個人的には思います。
皆様は如何お考えでしょうか?
という事で、逆にかかわらないと分からない、実際に接してみないとわからない、管理会社のフロントマンのつれない?対応の話について今日は書かせて頂きました。 (そんなことないよ!!とお叱りを頂くかもしれませんが、個人的には実際仕事をして感じる事です)
是非参考にして頂けますと幸いです。
それでは、また!
(マンション管理士 橋本 和聡)
【執筆者プロフィール】
橋本和聡(はしもと かずとし)
賃貸管理、マンション管理の“今”を、現場から直送!の意気込みで執筆しています。
25年以上にわたり、賃貸管理、マンション管理の現場に携わってきたベテラン。現場での気づきや実践的なヒントを、ブログとSNSで発信しています。
📘ブログ:https://note.com/brigebookdon
🔗SNSまとめ:https://lit.link/brigebookdon
資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM(米国不動産経営管理士)、第二種衛生管理者