橋本ドンのマンション管理での嘘のようなホントの話?!(第六十歩)
■マンション管理の“本当の維持費”知っていますか? 専有部の見えないリスクと、これからのマンション二極化 !
あっという間に3月、まもなく春の季節。
今年も寒かった冬もようやく終わりに差し掛かっていますが、次に来るのが花粉の季節ですね?!
皆様はいかがお過ごしですか?!
私は仕事柄、忙しい時期にあたり、バタバタと働いております。
そんな忙しい中、束の間の休みにて、ボーとテレビを見ていましたら、「戸建て」と「マンション」暮らすならどちらがいい?!といった特集が組まれていました。
正直この話は、不動産業界でも、YOUTUBEとかでもよく話題になる話にて、住みやすさ、環境面、防犯面、利便性といった面ではマンションがいいという人も多いのですが、周りに気を使わなくていいとか、趣味に打ち込めるとかという意味では、戸建てがいいのでは?!という話がありました。
また、もう一つの見方として、資産と見た場合、値上がりするのか?流動性がある(売りやすいのか)などなどの面でもはなしもあり、そういった面ではマンションがいいかもという流れでした。
そして、もう一つ重要なのが、お金の話、そう維持管理にどれぐらいかかるのか?!という話でした。
その時の番組では詳細は失念しましたが、いくらか戸建ての方が、維持管理面ではコストが抑えられるといった話でしたが・・・。
そもそも、皆さん、戸建てでもマンションでも、生活するうえで、維持管理、メンテナンス費用どれぐらいかかるのか?どういったもののかかるのか?考えたことありますか?!
このメルマガは、マンション関係の内容がメインですので、戸建てに関しては比較対象としてはお話しますが、今回はマンションをメインに話したいと思いますが、まず何を思い出しますか?!
そう分かる人にはピッと分かる?!
そう、管理費、修繕積立金です。
管理費は普段の維持管理、そう清掃や建物設備の維持管理・点検や植栽の剪定などがこれにあたり、修繕積立金は建物本体や建物設備の交換など大掛かりな建物改修の費用がこれにあたります。(戸建てにはこの費用はありません。自分でしたり、貯めて自分で手配する必要があります)
最近は、これが値上がりなどもあり、高くなってきているの皆さん頭を悩まされているかもしれません。
マンションに暮らされている人はこの二つは毎月定期的に払っていれば後の維持管理の費用はかからない?!そう思われていないですか?!
賃貸物件ですと管理費修繕積立金が、家賃(賃料)や共益費を払えば、何年後かの更新料や保険料ぐらいで、あとは費用が掛からない(オーナーが負担する)というのが一般的ですが、マンションを所有されている人がオーナーですので、全部自分で払わないといけなくなります。
という事は、専有部内の設備や内装、埋設配管に至るまで、専有部にあるものは住んでいる皆さんが負担しないといけません。
ではそれにはどんな内容で、そして交換等の時期や費用、どれぐらいかかるか考えたことがありますか?!
これって、冷静に考えますと、かなり大きな金額になります。
具体的に分かりやすい例でいいますと
<設備>
・エアコン
・給湯器
・換気扇
・ガスコンロ
・照明
・その他、電気温水器に、床暖房、キッチン設備
などなど
これら機械ものはおおむね10年で交換する可能性が高いです。
概ね安い物は10万以下のモノもありますが給湯器など内容によっては何十万のものもあります。
<内装関係>
・壁紙
・床材(フローリング、クッションフロア等)
・巾木
・木部
などなど
こちらは経年劣化次第、使用状況次第で早くもなり遅くもなり、また本人の美意識、個人的な感覚でそのままでも?!という個人差がある内容です。
こちらの費用はおこなう工事の規模によって変わってきますので一概に金額は出せないでしょうか?!
<大掛かりなもの>
・キッチン
・ユニットバス
・洗面
・トイレ
・サッシ
・扉
などなど
こちらは10〜20年ぐらいで交換を検討する内容になります。なお、サッシや扉はともかく、水回りは必需品にて、不具合があると早期な交換等の工事が必要に迫られますので、手持ち費用がないとかなり大変です。
あと厄介なもの、皆さんがあまり考えない内容がこちら?!
<埋設しているもの>
・給水給湯管
・排水管
・電気配線
・ガス配管
・ネット配線
等々が経年した場合、劣化しての不具合
埋設している事から可視化されずに、いつの間にか劣化が進行し、気がついた時には早急の対応をする必要があり、また同時に、これらの経年劣化に伴う事故(漏水事故)により、周りの部屋に被害を及ぼす可能性もあり、また漏水事故と同時にライフライントラブルという事で最緊急内容な内容です。
費用も見えるところでしたら比較的安価ですが、見えない所や全体的な引き直し等になりますと壁などの解体等も発生する為、費用もかなりの高額になります。併せてそれをカバーする意味で保険の加入も必要不可欠です。
また、その他の内容として、税金面等々にて、固定資産税なども費用発生します。
これらが、所有し続けるかぎり、何かしらのタイミングでこれらの改修等の費用が発生する可能性があります。
どうです、思っていた以上に内容盛り沢山ですし、一つ一つどれぐらいのタイミングで、どれぐらいの費用が掛かるか、ぞっとしませんが?!
特にトイレの交換一つ、ユニットバスの交換となった場合当然何十万単位での費用負担する必要が出てきます。
それらの費用、皆さんプール、預金等溜められたりされていますでしょうか?!
いやいや生活するだけでいっぱい、いっぱい、それどころではない?!
また自身の部屋の不具合に伴う漏水事故ですと、まさか自分の部屋が事故の原因になるとは思わない!こうした声は非常に多いです。
なんとか自分は大丈夫と思っても上階や隣室で余裕がない人がいて、貰い事故を受けたらどのように思われますか?!
しっかり自分のところぐらいはしっかりメンテナンスしろよって思いませんか?
そして、これらの費用も年々のインフレで日に日に費用が上がっている現状です。
それも住まわれる期間が長ければ長いほど費用発生のリスク可能性が高まります。これが、皆さんが所有される上で必要になってくる費用の現実です。
なお、賃貸が気楽でいいという人もいますが、賃貸ですと確かに掛からない費用内容も多々ありますが、自由に好きな生活ができない、制限される、また、家賃は払い続けるしかなく、
急な退去や値上げの可能性もあり自分自身で生活をコントロールしづらい事も多々あり、一長一短があります。若い時はいいのですが歳をとると希望条件で借れないです。(保証や孤独死のリスクからオーナー様は敬遠しがちです。)
そういった中、ここ最近マンションにおいては物件の築古に伴い劣化により、配管等の漏水事故が年々増加し、その原因を改善すべく配管更新の工事を実施しているところ増えてきますが、とはいえ共用部分だけしても改善されない、要は専有部も改修しないと改善されないとの事で、共用部分と一体になった専有部を含めた故事を検討されるマンションも増えてきております。
ただ当然修繕計画が共用部分だけしか計画されていない為、費用超過や専有部での一時金の負担を求められるケースもあり、共用部分でのセット工事でも、どちらにしても費用がそれなりにかかります。
といったように、生活を維持するためには共用部分だけでなく専有部を考えるとそれなりに費用が掛かることご理解頂けたのではないでしょうか?!
そう、共用部分もですが、これらのコストを払えるかどうかの部分で、今後マンションにおいて維持管理で二極化が進むのではないかと個人的のは思っています。
そう専有部分を含めて費用のかけられるマンションは、よりしっかりと管理され、費用に厳しいところは、ギリギリの管理体制での運用になり、何かしらの制限が必要になります。
特に都内によってはこの内容がさらに鮮明になってくると思われ、管理する管理組合、管理会社も、専有部分に対してどこまでカバーできるかも出てくるかと思います。(雑排水管洗浄作業や保険の個人賠償責任保険など)
そういった意味で、今後のマンションライフ、なかなか厳しいものになるのではと危惧しております。
そして従来の管理方式も変わりつつある中、このような問題を事前に回避すべく、まずはいろいろな部分での見直しが必要ではないかと考えます。
そうこれまでのような誰かがやってくれる、お任せ、他人事では乗り越えられない時代がきます。
それには、管理会社、マンション管理士、建築士、弁護士などの専門家の協力、そして、色々な情報に対してアンテナを張って情報収集して、適切に判断して物事を進める能力がこれからのマンションの管理運営には必要とされ、それができる組合活動(理事会活動)が不可欠です。
これらが揃って初めて、安心・安全・快適なマンションライフ が維持できるかと思います。
皆さんも一度自分の生活を維持するためにどうしたらいいか、考えるタイミングかもしれません。
私自身も、皆さまのマンションライフがより良いものになるよう、引き続き力になれればと思っています。
ではまた。それでは、また!!
(マンション管理士 橋本 和聡)
【執筆者プロフィール】
橋本和聡(はしもと かずとし)
賃貸管理、マンション管理の“今”を、現場から直送!の意気込みで執筆しています。
25年以上にわたり、賃貸管理、マンション管理の現場に携わってきたベテラン。現場での気づきや実践的なヒントを、ブログとSNSで発信しています。
📘ブログ:https://note.com/brigebookdon/n/n56a2b8bd69f9note
🔗SNSまとめ:https://lit.link/brigebookdon
資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、CPM(米国不動産経営管理士)、第二種衛生管理者
