特別寄稿 YKKAP 分譲マンションの窓・玄関ドア改修工事と補助事業

■分譲マンションの窓・玄関ドア改修工事と補助事業 2025年版その3

先月に引き続き「分譲マンションの窓と玄関ドアについて」のお話をさせていただきます。
最初に先月までのお話と、昨年の3回のお話について、題目だけ振り返りをさせていただきます。
【2024年の3回のお話について】
その1:窓・玄関ドア改修工事の補助金について
その2:工事契約前のスケジュールについて
その3:工事契約後のスケジュールについて
【2025年11月のお話について】
① 改修工事が必要かどうかは、建物・管理組合の状況によってアドバイスが必要
② 改修工事の方法は大きく分けて4つあるが、一番割安なのは既存窓の「部品交換」。
ただし割安が故の問題点も多々存在する。
【2025年12月のお話について】
① 改修工事の方法その2:既存窓の「ガラス交換」
② 改修工事の方法その3:既存窓の内側に「内窓設置」
③ 改修工事の方法その4:既存窓の「窓全体を交換」=「カバー工法」
それぞれメリット・デメリットをお話しさせていただきました。ご興味のある方はご覧ください。

今回は旬なお話として、2026年度の開口部(窓・玄関ドア)改修工事の補助事業について現時点で公開されていることを紹介します。補助事業のお話は2024年度の「その1」でも解説させていただいております。よろしければご一読ください。

なぜ補助事業のお話が「旬」かと言いますと、現在行われている開口部(窓・玄関ドア)改修工事の国の補助事業の財源は「補正予算」であることがその理由です。今年度(2025年度)の補正予算は2025年11月28日に閣議決定、同年12月16日に予算成立となっています。閣議決定された11月28日以降に実施される工事が補助事業対象工事になりますが、現在はその制度設計(ルール)が少しずつオープンになってきています。

開口部(窓・玄関ドア)の補助事業の歴史は2010年に遡ります。それ以降毎年のように姿・形を変えて現在に至ります。下表はその一部を抜粋表記しております。下表にある「断熱リノベ事業」は2013年度からスタートしており、10年以上継続している事業です。2026年度も継続実施される予定です。一方で2023年度から国が大きな予算を付けて実施しているのが「住宅省エネキャンペーン」です。開口部関連では毎年2つの事業が実施されています。
他にもありますが、大きく分けてこの3つがここ数年実施されている国の補助事業です。
【補助事業一覧】
この3つを以下に紹介していきます。その前にこの3つの補助事業を併給(複数受給すること)することはできませんのでご承知おきください。

① 先進的窓リノベ事業
「先進的~」と謳うだけあって、採用製品に要求される性能が高いです。それ故に購入費用が高くなりますが、補助金額もそれに見合うよう手厚く設定されています。管理組合からも「先進的~を使って改修工事を実施したい。」と要望されるケースが多いです。
② みらいエコ住宅2026事業
現時点では2026年度の細かい制度設計(ルール)が発表されていないので何とも言えないですが、2025年度に実施された「子育てグリーン住宅支援事業」のお話をしますと、分譲マンションの開口部改修工事では使いにくい事業でした。理由は(開口部の断熱改修工事)(躯体の断熱改修工事)(エコ住宅設備の設置)という3つの工事の内、最低二つを同時に実施しなくてはならず、どちらかというと戸建て住宅向け、もしくは賃貸集合住宅向けの制度だったと思われます。2026年度もこの部分が踏襲されますと分譲マンションではなかなか活用が難しいかと思われます。
③ 断熱リノベ事業
正式名称は「既存住宅における省エネ改修促進事業」です。所轄官庁は環境省で2025年度の執行団体は「公益財団法人北海道環境財団」です。比較的ベーシックな製品でも補助対象となることで、安定的に活用される管理組合がいらっしゃいます。
公益財団法人北海道環境財団 環境省補助金専用サイト

お知らせ|既存住宅の断熱リフォーム支援事業

最初に触れましたように、この3つは併給ができませんので、どれかひとつを選ぶ必要があります。お伝えしたように②はなかなか活用が難しい事業ですので、実質は①か③を選択する必要があるということになります。
まず①と③は制度設計(ルール)が全く異なります。
【補助金の申請者】①:工事元請業者、③:発注者(管理組合)
【申請時期】①:原則工事完了後、③正式契約前
※ ①は対象工事開始時期と工事完了後申請時期の縛りがあるだけで、
期間内であればいつでも申請できます。一方途中で予算が無くなったらその時点で事業自体が終了です。
※ ③はおおよそ年に4回申請期間が設けられ、その期間内に申請して、それぞれの完了報告期限までに報告すれば良いという制度です。

このように一口に「補助事業」と言っても難解な部分が多々あります。申請のタイミングもあります。工事完了の期限もあります。以前触れましたが、採用する製品はオーダー製品のため製作に時間がかかります。取付工事の期間も必要です。補助金のスケジュール、製品の製作・取付のスケジュール、さらには管理組合の総会実施のタイミングも考慮していかなくてはなりません。この部分は管理組合の方が単独で考えられていても前に進みません。ぜひご相談をいただければと思います。

改修工事の検討にあたっては、業者への直接相談でも結構ですし、マンション管理会社・マンション管理士・コンサルタントの方への相談でもよろしいかと思います。YKK APではホームページ上で「お客様相談室」という窓口を設置しております。ぜひご活用いただければと思います。
(YKK APお客様相談室:お問い合せ[一般のお客様用] -YKK AP株式会社)
(電話:0120-20-4134 受付時間 月~土 9:00~17:00)
(2025年12月26日~2026年1月5日は受付休止となります)
ご相談をいただくことで、「共用部分」の改修工事の実施についての様々なアドバイスをさせていただきます。もちろん「補助事業」のこともお任せください。

YKK APでは窓の「劣化」と「進化」を体感いただける常設展示場もご用意があります。お問い合わせをいただければと思います。

次月は2026年度の補助事業の制度設計が明確になると思いますので、ご案内ができればと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
(YKK AP株式会社 首都圏改装支社 長田 克也)