マンションと法(第五十三歩)

■標準管理規約の見直しに関する検討会について(1)

前回に引き続き、区分所有法の改正法(新区分所有法)関係の情報提供となります。

国土交通省のWEBサイト上において、令和7年マンション関係法改正等に伴うマンション標準管理規約の見直しに関する検討会が開催されているとの情報が公表されています。そして、この検討会の活動内容については、「令和7年マンション関係法(建物の区分所有等に関する法律等)の改正に伴い、影響が生じる「マンション標準管理規約」について、マンションに関する学識経験者、業界団体等の知見を踏まえ、実務上広く受け入れられる見直しをするための検討を行います。」と記載されています。

第1回の検討会(事務局案・論点提示、討議)は令和7年6月27日に開催されており、当該検討会における配布資料によると、第2回検討会(討議)が同年8月8日、第3回検討会(討議、とりまとめ)が同年9月2日にそれぞれ開催された後、同月下旬を目途に改正標準管理規約が公表される予定となっています。

第1回検討会では次の項目について検討されています。
①総会決議における多数決要件の見直し
②総会招集時の通知事項等の見直し
③国内管理人制度の活用に係る手続
④マンションに特化した財産管理制度の活用に係る手続
⑤他の区分所有者の専有部分の保存請求
⑥専有部分の使用等を伴う共用部分の管理
⑦区分所有者の責務

また、第2回検討会では次の項目の検討が予定されています。
①修繕積立金の使途
②共用部分等に係る損害賠償請求権の代理行使
③管理組合役員に就任可能な者の範囲の見直し
④管理組合役員等の本人確認
⑤管理組合が取り組むべき防災関係業務
⑥マンション内での喫煙に関するルールの整備

前回の投稿で記載したとおり、来年度の総会が令和8年4月1日以降に行われるマンションでは、新区分所有法の内容を踏まえた総会の議事運営を行う必要があることが意識された標準管理規約の改正ではないかと考えています。
また、この点については第1回検討会の議事概要においても、次のやり取りがありましたので、ご紹介します。
すなわち、委員からの「多くの管理組合において、次の通常総会が5月、6月ということが想定される中、4月1日から改正区分所有法が施行された後に、4月、5月にどうなるのかということだと思うが、法務省からそのあたりの考え方をお願いしたい。」等という発言を踏まえて、法務省民事局は「現行の管理規約で無効になる部分は、4月1日から施行される改正区分所有法に反する部分である。例えば、管理規約を改正しようとする際には、出席者多数決という概念が入ることになるため、管理規約の中で、全区分所有者及びその議決権の4分の3で決めると書かれていても、管理規約のその部分の規定は改正区分所有法の規定に反し無効となるので、改正区分所有法の規定に従って、出席者の4分の3で決めていただくことになる。」と回答しています。

今回の標準管理規約の改正においては、新区分所有法の施行前後で管理組合運営に混乱が生じることがないよう、分かりやすい情報提供がなされることを期待します。

(弁護士 豊田秀一)