管理組合の考察(第五十三歩)

■クラセル導入手続き

5/1に稼働したクラセルに対する提供会社の導入サポート期間が7/31に終了した。今後は導入先である管理組合が独力で運用していかねばならない。クラセルの導入は概ねうまくいったと思う。これまでは運営会社担当者のマンツーマンの助力を得ながら、クラセルを利用した管理組合からの業者への支払いや区分所有者からの管理費・修繕積立金の徴収は特別な問題なく行われた。もちろん、区分所有者の勘違いなどで個々の手続きが遅れたこともあったが、対処不能な事態はなかった。
ここでクラセル導入をきめてからどのような手続きを行ったかを簡単に振り返ってみる。クラセルを導入しようと考えている自主管理の管理組合の役員の方には参考になると思う。

第1段階 導入決定
クラセル導入決定前は、理事会承認や総会の導入決議と運営会社との契約承認決議が必要であった。そのために区分所有者対象の説明会も行った。説明会はアンケート調査をしたうえで総会決議を得ることでも代用可能あっただろう。

第2段階 準備段階
総会で導入決議を得ると関係者との契約などを行う。クラセル運営会社である三菱地所コミュニティ株式会社や銀行口座からの自動振替手続きを代行する三菱UFJファクター株式会社などである。今回は「管理組合を共同運営する会」のクラセルサポートサービスを利用することになったので同会に所属するマンション管理士(私)との業務委託契約もあった。次にクラセルに使用する管理組合の銀行口座の開設と資金移動も必要であった。
準備行為で一番時間を要したのは、区分所有者との関係である。説明会や総会で事前説明をしたが、区分所有者個人の銀行口座から自動振替するので個別の承諾書の取得や引落額の確認作業などである。特に管理費/修繕積立金の延滞問題を抱えた区分所有者や外部居住の区分所有者への対応には予想外に時間がかかった。
また、このマンション特有の問題が判明した場合もある。このマンションの場合は前に報告した水道料金の管理方法であった。
この段階で最も時間がかかったのは、管理組合の記録をクラセルシステムへの移行である。管理組合に存在する会計記録や運営基準などを精査し、移行が必要なものを選択し記録保管基準を定めて記録方法をさだめ、必要なものをクラセルシステムに入力作業である。もちろん、既存のデータを変換すれば入力が可能なものもあったが、

第3段階 運営開始
いよいよ実施である。この段階ではクラセルシステムが正常に稼働しているかを実際のデータ(送金記録・自動振替記録など)を利用して行う。会計の仕分けが正確になされたかのチェックも必須である。
今回は無事に正確に作業されたことが確認された。

第4段階はまだ来ていないが、実施されたクラセルシステム、会計帳簿が正確かつ適時に作成できるかの検証が必要になる。おそらく決算時におこなうことになろう。
以上は出納・会計に関するものだが、クラセルには居室管理や駐車場の管理システムもある。それらの準備行為をしなければならない。

以上のように、クラセル導入には様々な手続きがある。正直なはなし、自分でやってみて大変であったというのが、実感であった。導入決定後は三菱地所コミュニティ社の担当者のサポートがあるとはいえ、それらはシステムの技術的サポートが主で運営面での準備は自分たちが行わなければならない。マンションは個々別々の事情があり、その状況で運営する以上当然ともいえる。しかしながら、これらの作業を管理組合の役員だけで行うのは厳しいと思う。知識・経験のあるマンション管理の専門家の助力を得たほうが良いだろう。

「管理組合を共同運営する会」では、外部管理者管理業務の他、クラセルシステムの導入や実施を手助けするクラセルサポートサービスを行っている。

 

同会は事業内容やサービスなどの「事業説明会」をオンラインでおこなう。

・開催日時:2025年9月3日(水曜日)18:00~20:00

・参加方法:自由参加

・ZOOM会議:

https://us06web.zoom.us/j/85141974096?pwd=XnxbNdkvFWlrApfztzZTVXHaFQG1Nu.1

 

(マンション管理士 渡邉元)